「人事を尽くして、天命を待つ」という格言がある。
【人間の能力で可能な限りの努力をしたら、後は焦らず静かに結果を天に任せる】
(出典は中国の胡寅<こいん>が書いた『読史管見』<とくしかんけん>といわれ
ている。)
沖縄にも同意の言葉がある。
「まくとぅそーけー、なんくるないさ~」
【正しい事や真(誠)の事をしていれば、何とかなるさ】
(しかし、現代の沖縄では「なんくるないさ~」だけが取りざたされて、楽観的にとられ、沖縄のおおらかさ、と捉えられている点が多い。真意は「まくとぅそーけー」であることを忘れてないけない。)
私たちは難しい事や厳しい事に出会うと、避けたり、諦めたりしてしまうことがある。また、易しい事には手を抜いたり、惰性でやったりする事がある。
それでは本当の「力」はつかない事は分かっているが、凡人の浅はかさでついつい楽な方に流されてしまうのだ。
以前、訪問先の経営者から次の言葉をきいた。(会議室にも額が掲示されている)
「真剣だと知恵が出る
中途半端だと愚痴が出る
いいかげんだと言い訳が出る」
なるほどと思った。
私たちは何事も「知恵が出る」ほど真剣に取り組む必要があるだろう。
まさに「人事を尽くして、天命を待つ」心境で事に当たると知恵が出て、難題解決の糸口が見いだされ、自ずと「力」つくのではないか。
現代の世情で「楽して金儲けしよう」という風潮がはびこってきているような感がある。
楽して儲かった金は往々にして「あぶく銭」となって消えてしまう事が多い。
「身になる金の使い方」を身に着けることにより「お金の大切さ」ひいてはお金を生む仕事の大切さ、有難さを意識するようになり、仕事への取り組み方も真剣になる。そうすると知恵が出て、世間から頼りにされるような「力」がつくことになるのではないか。
今日までできていなかったとしても、今から始めよう!
「人事を尽くして、天命を待つ」が如く、何事も「やりきる」クセをつけ、やり遂げるまで頑張る姿勢で生きようではないか。
政治家はじめ世の指導的立場の人たちが、本来やるべきことに「人事を尽くして」いれば、世の中はもっと暮らしやすくなり、希望に満ちた若者が育ち、羽ばたいていけるようになるはずだ。しかし、現実は先が読めない、殺伐とした社会になっている。
それでも他人任せにせず、今一度、人として「人事を尽くして、天命を待つ」ごとく自分が本来やるべきことを「やりきる」クセをつけよう。
その方が、「魅力的な人間」になるはずである。
株式会社CSDコンサルタンツ
代表取締役 西里 喜明
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