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執筆者の写真西里喜明

【代表メッセージ】心理的安全性をベースとした経営理念の実践(トヨタグループの不正問題に想う)【理念経営㉕】

 



 自動車販売台数世界一の日本を代表する世界的企業「トヨタグループ」で起きた不正問題について考えてみたい。

 日本経済をリードし、日本国民に誇りと自信を与え続けてきた巨大企業グループの不祥事は何故起きたのだろうか。


 トヨタ自動車株式会社の基本理念を改めて確認してみた。


 

トヨタ自動車㈱の基本理念

1.内外の法及びその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて国際社会から信

  頼される企業市民をめざす

   ~  ~         ~  ~            ~  ~

7.開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、長期安定的な成長と共存共栄を

  実現する


 トヨタ自動車(株)は‘92 年1月「企業を取り巻く環境が大きく変化している時こそ、確固とした理念を持って進むべき道を見極めていくことが重要」との認識に立ち「基本理念」を策定いたしました。(’97年4月改定) 

※トヨタの企業情報・経営理念より

 

 

 誰もが信頼し、納得する立派な基本理念を掲げ、日本のトップを走り続けた企業の足元で何が起きているのだろうか。

 販売台数でトヨタグループは4年連続世界一となり、’23年は前年比7.2%増の過去最高を更新し、まさに絶好調といっても過言ではないだろう。


 よもや自信が過信になっているとは思えないが、組織のチェック機能が正しく働いていないことは確かであろう。一部では納期に対するプレッシャーがあったのでは、ということも言われているが、「内外の法及びその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて国際社会から信頼される企業市民をめざす」という基本理念の第一項目に照らし合わせて考えた時、経営トップ・幹部・全社員はどのような想いだろうか。組織の心理的安全性は担保されていたのだろうか。


 「勝って兜の緒を締めよ」という格言があるが、組織は緊張感がなくなると規律も緩く

なるといわれる。一方で、間違った緊張感を強化すると心理的安全性が崩れ、風通しが悪くなり、現場の実態がトップや幹部に素直に伝わらないという弊害が生じることがある。

 日本有数の企業の組織問題を機に、自分の周囲をあらためて振り返る必要があるだろう。

                                                    

 勝ち続けることは困難な事ではあるが、経営者は常に組織の心理的安全性を担保しつつ程よい緊張感を与え続けることが重要である。

 我々も今一度、経営理念を基に足元を見つめ直し、組織の正しい信頼感と緊張感をベースとした心理的安全性を構築し、組織活性化を図り成長へと導きたいものである。



株式会社CSDコンサルタンツ

代表取締役 西里 喜明

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